2021-09-30

何でもコストの時代。コミュニケーションにも「コスト」という考え方

コスト削減は常に悩みの種です。

コストと一言で言っても、様々なコストがあります。

ランニングコスト(維持管理費用)、イニシャルコスト(初期費用)など様々なコストの考え方があります。

今回は、その中でも最近使われ始めてる「コミュニケーションコスト」について、カフェを開業する視点から見ていきたいと思います。

コミュニケーションコストってなんぞ?って思ってる人も多いと思うので、ざっと解説だけ。

簡単に説明すると、「相手に伝えるためにかかる労力や手間・時間」のことです。

コミュニケーションコストが高いと、それだけ相手に伝えるのに手間と時間がかかっているという事になります。

そこで、今回はカフェ開業においてどういうところでコミュニケーションコストがかかってしまうのか、それに対してどう対策すればいいのかを書いていきますので、参考にしてもらえたら幸いです。

手元の現金が高く残る方が、必ずしもコスパがいいわけではない

コミュニケーションって、目に見えないし、そもそも「コスト」概念自体がなかったから、なかなか理解が難しいですが、これを気に掛けると無駄な時間を極力抑え、余った時間を自分や家族のために使える画期的な発想です。

例えば、不要になったスマホを売却したいと考えた時に、次の2つの方法を思いついたとします。

  1. フリマサイトで出品する
  2. 買取店で買い取ってもらう

1のフリマサイトに出品する場合、まず商品写真を撮り、商品の状態や説明をなるべく細かく記載し、質問に返信したり、値引き交渉などに対応した後、購入者と連絡を取り、商品を梱包して発送。その後、入金を確認し、最後に評価をする。

割と手間がかかる作業です。

2の買取店で買い取ってもらう場合は、店舗に持ち込むか宅配で買取店に発送し、査定してもらい、買取金額に納得いったらそのまま買い取ってもらうだけ。

1に比べると、かなり手間が減ります。

これをコミュニケーションコストで考えると、1と2を比較した場合、1の方がコミュニケーションコストが高い行為です。

「でも、1と2を比較したら、フリマサイトの方が買取店よりも高く売れる」という考えもあるでしょう。

例えば、その商品がフリマサイトで5万円で売れたとしましょう。

一方の買取店では4万3千円の買取値がついたとします。

フリマサイトの手数料が10%として、受取額は4万5千円。

買取店は特に差し引かれるものがないので、4万3千円のまま。

その差額は2千円。

売れるまでの手間のかけ方と、差額2千円を天秤にかけた時、果たして1は(2千円も)得したと言えるでしょうか。

私も今までなら、結果のお金の部分しか見ていませんでした。

手間をかけて2千円アップするなら、自分で出品した方がいいって思ってました。

気付いてしまった、コミュニケーションコスト込みの金額

でもね、気付いたんです。

売れて、手元に現金ができるまでのプロセスや時間を考えると、圧倒的に1がコスパが悪いって。

2の方を選んでれば、早々に現金ができ、更に時間もかなり短縮。

余った時間で、次の事を考えれる。

そう、時は金なりなんです。

今回の例は、1と2の差額が2千円と割と近い数字でしたが、これが3千円差ならどうか、5千円差が開いたらどうかって、自分の中でコミュニケーションコストを踏まえた妥協点を決める事が大切です。

あぁー今まで、ずっと1選んでたなぁ・・・。

めっちゃ無駄にコストかけてたなって反省しました。

カフェの開業におけるコミュニケーションコストとは?

コミュニケーションコストについて、なんとなく理解できたところで、今度はカフェの開業におけるコミュニケーションコストが高くつく場合を考えてみましょう。

  • 業者とのコミュニケーションコスト
  • スタッフとのコミュニケーションコスト
  • お客様とのコミュニケーションコスト

この3つが考えられます。

例えば、業者とのコミュニケーションコストを考えた場合、内装の打合せは最もコミュニケーションコストがかかるシーンのひとつ。

店舗の内装をつくる時などに、内装を作ってくれる業者側にこちらのイメージがきちんと伝わらない事があったり、指示したにも関わらず違うものをつけられたりと言ったケースが考えられます。

スタッフとのコミュニケーションコストについては、新人スタッフのオペレーションはもちろん、新しいメニューの作り方や、レジ処理の変更など、手順面でのコミュニケーションコストが高くなってしまう傾向が強いです。

1度や2度の指示では上手く伝わらず、何度も同じ指示をしないといけない、スタッフが自ら考えてくれない事など、結果的にコミュニケーションコストが高くなってしまう事があります。

指示を受取る側の問題も多少あるでしょうが、こういう場合は指示をする側(オーナー・店長側)の方に責任がある事が多いです。

最後にお客様とのコミュニケーションコストですが、お店のこだわりポイントが上手く伝わらず、来るお客様に毎回同じ説明をする場合などが多いですね。

このドリンクってどんな味ですか?とか、このコーヒー豆とこっちの豆はどう違いますか?など、上手くお客様に伝わってない事が原因です。

コストを下げる最大限の努力をすると、ご褒美がもらえるんだ

業者とのコミュニケーションコストを下げる方法として、事前に自分のイメージや好みの内装の写真をたくさんピックアップしておき、イメージを共有して伝わりにくさを回避するよう仕向ける。

これは、私の記念すべき1本目の記事にも書きましたが、これは本当に大事。

LINEやメールでバンバン送って、頭に叩き込んでもらいましょう。

ちなみに、その時の記事はコチラです。

そして、連絡手段は電話ではなく、極力LINEやメールでのやり取りを心掛けましょう。

画像やデータを送れるのに加えて、議事録替わりにもなるので、後々のトラブル回避にも大いに役立ちます。

また、電話の場合、打ち合わせ箇所を理解するために、他の作業を止め、図面を確認したり、データを確認しなければなりません。時には、一度電話を切り、別の業者に自ら確認をするハメになることも。

こんなの、コスパが悪すぎです。

スタッフに対してのコミュニケーションコストを下げるには、やはり分かりやすいマニュアルを作るのが最適です。

マニュアルを常時見やすい場所に置いておき、スタッフに分からない事があった場合は、自らマニュアルを読むように指示しておくことで、コミュニケーションコストが大幅に下がります。

また、ミスをした場合などは、そのシーンを細かく記録しておき、スタッフに共有しておくと、同じミスが起きにくくなるだけではなく、スタッフ同士で指導し合う事も可能になります。

お客様に対してのコミュニケーションコスト削減には、視覚効果を上手に利用する事です。

商品の横に目をひくようなPOPを置いたり、メニューのひとつひとつに具体的にイメージしやすい言葉を添えたりすることで、お店側がいちいち説明するという手間が省けます。

また、店内にブラックボードを掲げて、その日のおすすめメニューを書いたりする場合も、お客様が心動かされるようなワードや、イメージしやすいように絵を書いてみる事で、お客様自身でメニュー選びが完結します。

その他にもSNSで新商品を事前に告知したり、お知らせを投稿する事でコストの高いコミュニケーションを削り、お客様との会話時間を説明や告知に割くのではなく、お客様とのコミュニケーションを図り、仲を深めるような、より接客の質を高める会話に注力する事ができます。

こうやって、無駄なコストを削減して余った時間は、ご褒美になって返ってきます。

それは、家族との時間が増えることだったり、自分のための時間や、次の戦略を練るための時間に変わったり。

コミュニケーションコストを考える事は、巡り巡って自分を助けてくれる事になるんではないでしょうか。

COFFEE BREAK

COFFEE BREAK
COFFEE BREAK
地方在住、コーヒーショップの経営者。1983年生まれの38歳。

独身時代はフリーター、工場勤務などを点々とする。結婚を機に地元の中小企業に営業兼品質管理者として8年間勤務。その後、勤務していた会社がリーマンショックのあおりを受けて、事実上解散。夫婦で相談した結果、お互い自営業でやりたかった仕事をはじめる事を決意。紆余曲折あったが、2012年の4月に未経験ながら地元に小さなカフェを開業。その後、オープンから7年を迎えた2019年に、それまでのカフェスタイルからコーヒーと焼き菓子のテイクアウトを主体とした、コーヒーショップへ店舗を改装。現在、お店は通算10年目に突入。コロナ時代で悪戦苦闘中だけど、家族と楽しく過ごしてます。
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