2021-10-16

カフェを開業したての頃に大失敗したこと

私は、頭じゃなくて身体で覚えるタイプでした。

新型コロナウイルスの感染もやや落ち着いてきて、徐々にお出かけもできるようになってきました。

これを機に、滞っていたカフェ開業計画も再開しようかと考えてる人も多いのではないでしょうか。

今回は、私が開業1年目の時にやらかした大失敗を書いてみました。

9年前なので、今となっては笑い話ですが、当時はマジでしんどかったです。

様々な失敗を経験した私が、これからカフェを開業する方に向けてアドバイスするのなら、

初級でいいので、簿記を学びましょう

と言う事。

できれば3級程度が理想ですが、用語を覚えるだけでも意味はあるので、何級でもいいので簿記に慣れ親しんでおくことを超おすすめします。

おすすめというか、私みたいになりたくなければ必須です。笑

その他にも、開業をして得たものなどを書いた記事も参考にしてみてください。

大失敗その1:税に対しての知識が皆無だったこと

今も知識が豊富なわけではないけれど、今思えば開業当時は「税に対しての知識がない」どころか、「そもそも税の概念すら無いに等しい状態だった」と言えます。笑

会社員時代は、全て経理の人がやってくれてたし、税金の事を勉強する必要もなかったので、開業する際にササっと本を読んで、分かった気になってました。

とりあえず、売上あげて、原価引いて、経費除いて、残った利益から税金払えばええんでしょ」と高を括っていた私。

1年目の年末にやってきた、確定申告の書類を見て愕然としました。

何だこりゃ、何をどう記入したらいいんか分からん!!

確定申告は国税庁のHPに数字入力するだけと聞いていた私でしたが、私が想像してたんと違う・・・。

やっとの思いで申告書の入力を完了するも、更に税額を見て慌てる。

「これ、今から支払うの・・・?」

新規開業バブルも落ち着いていた(落ち着くを通り越して、むしろ低迷期真っ只中だった)頃に、突然やってくる支払い義務。

いい大人のくせに、マジで泣きそうになったのを今でも覚えています。

でも、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言ったもので、翌年の年末にはすっかり忘れていて、また泣きを見るというポンコツっぷりを発揮したのでした。笑

大失敗その2:勘違いして集客努力を怠ったこと

もう、裸の王様状態でしたね。

新規開業当初は、ニューオープンという事もあり、タウン情報誌やテレビや新聞などのメディアからの取材依頼をいただきました。

当然、そういった類のものに紹介していただければ、一時的に集客はグッと増えるわけで。

メディアの取材のおかげで来てくれたお客様なのに、自分には集客力があると勘違いしてしまい、集客努力を怠るというポンコツっぷりをここでも発揮。笑

地方なため、それほどマーケットが大きいわけでもないのに、それに加えて立地的にも不利な場所に出店してるもんだから、集客をかなり頑張らないとダメなはず。

ましてや、開業したてで認知度もかなり低い。

その結果、オープンから数カ月後、お客様が徐々に減少していってるのにも気付けない始末。

気付いた時には、お尻に火がついてる状態でした。

迫りくる支払日、上がらない売上、嵩んでいく生活費。

もう、負のループ・・・。当時は本当にしんどかったです。

まあ、自分のせいなんですけどね。笑

あの時は、本当に自転車操業状態でした。

そこからどうやって復活したのかは、また別の機会に書きたいと思います。

ひとつ言えるのは、一発逆転なんてそうそうあり得ません。

地道に、地味に少しずつ学んでいきました。

大失敗その3:事業資金と生活費の分別ができなかったこと

頭では分かってるんです。

事業資金と生活費を分けなきゃっていう事は。

けれど、収入も支出も計画していた数字通りにはいかず、どんどん焦りだけが募りました。(←計画通りに行かなくて当たり前なんですけどね)

本来なら、「仕事用の通帳にはこれだけ残しておかないと」とか、「生活費で余った分は、貯金に」なんて考えていたのに、ちょっと足りないからとか、こっちの支払いが先だからと、徐々に仕事と生活費の境界線が無くなっていきました。

結果は言わずもがな。

何にいくらいるのか、今どれだけ資金があるのかなど、キャッシュフローを把握できてないポンコツっぷり。

船頭のいない船状態で、手元の資金をどこにどう使うのかが分からなくなってしまってました。

当時は、私と妻、中学生の子どもが2人、保育園の子どもが1人でしたので、生活費もかなり高かったです。

境界線を見失う事なく、冷静に判断できたらよかったんですが、今月の保育料払ったっけ?うわ、これの支払い忘れてた!もう月末だ、これ払わないと・・・。とまあ、毎月パニック状態だった当時。

日頃のキャッシュフローの把握がいかに大切かを思い知りました。

反省:全ては単独の失敗ではなく、失敗の連鎖だった

その当時は、日々を乗り越えるのに必死で、毎日白目向きながら耐えるだけでしたが、冷静になった頃に振り返ってみると、前述した大失敗はそれぞれ別々の失敗ではなく、全てが連鎖した大きな大きな失敗なのでした。

集客努力を怠ったからこそ、売上が落ちて事業と生活費を分けるのが難しくなり、それに加えて税の知識がなかったからこそ、更に苦しむ結果となってしまった。

集客努力だけをしても、事業と生活費の分別がついてなければ同じように苦しむだろうし、税金のことをきちんと勉強していたとしても、集客努力をしていなければ売上は上がらない。

例えそれぞれが小さな失敗だったとしても、結果として大きな失敗に合流してしまうんです。

「じゃあ、自分で事業した人は絶対失敗できないじゃん」って思う人もいるでしょうが、そこは大丈夫。

私みたいに、失敗を経験した人達が多数いますから。笑

その経験者達が、ブログの記事なり、動画なり、本なり、様々な媒体で失敗談や改善策を出してくれています。

それを学んでいけばいいんです。

失敗したからこそ分かる事もありますが、しなくていいに越した事はありません。

先駆者の経験から学び、より良いものを生み出し、次の世代に渡す。

そんなサステナブルな事業の在り方もあっていいと私は思います。

COFFEE BREAK

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COFFEE BREAK
地方在住、コーヒーショップの経営者。1983年生まれの38歳。

独身時代はフリーター、工場勤務などを点々とする。結婚を機に地元の中小企業に営業兼品質管理者として8年間勤務。その後、勤務していた会社がリーマンショックのあおりを受けて、事実上解散。夫婦で相談した結果、お互い自営業でやりたかった仕事をはじめる事を決意。紆余曲折あったが、2012年の4月に未経験ながら地元に小さなカフェを開業。その後、オープンから7年を迎えた2019年に、それまでのカフェスタイルからコーヒーと焼き菓子のテイクアウトを主体とした、コーヒーショップへ店舗を改装。現在、お店は通算10年目に突入。コロナ時代で悪戦苦闘中だけど、家族と楽しく過ごしてます。
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