2021-08-27

やっぱり気になるお金のこと(開業編)

お金の事って人に聞きづらいけど、実際そこんとこどうなの?

お金が全てではないけど、生きてく上では必要だし、やっぱり儲からないとやっていけない。はじめての開業にあたって、事業計画書に資金繰りについても書かなきゃいけない。でも、全く想像がつかないから、なかなか具体的に書けない。開業前の私がそうでした。

開業にかかるお金、開業してからかかるお金、生活費は?売上目標ってどうやって決めればいいの?今回は、そんな気になるお金のこと。今回は開業編。これから融資を受けてスタートする人にも分かりやすく説明していきます。私は融資を含めて400万円から事業をスタートしました。正直、決して多くはないけれど、私にとっては大金だったので、どこか高をくくっていました。今回の結論は、自己資金はできるだけたくさん貯めた方が絶対にいい。でも、そう簡単に貯めれないのなら、今あるお金で出来るところから、出来ることを計画的にはじめてみたらいいんじゃないかな。とにかくはじめる事が大切です。

開業するために準備したお金は400万円でした

開業に至った経緯や資金については、以前の記事「飲食業界未経験の私が自分のお店を持てた理由」に詳しく書いてるので、そっちを見てからこの記事を読むといいかもしれません。自己資金100万円、銀行からの融資で300万円でお店をスタートしました。借りたテナントの広さは10坪。大通りから一本入った、人通りの少ない路地でした。当時は、妻の仕事場も同じ店舗の一角に作ったので、カフェスペースは8坪程度。開業資金にはおよそ250万円かかって、手元の現金は残り150万円。妻の方は売上を別にしていたので、計画としては、カフェの方の3カ月程度の運転資金で考えていました。ちなみに、開業にかかった250万円の内訳はざっとこんな感じ。

  • 物件取得費・・・50万円
  • 内装工事費・・・120万円
  • 設備什器費・・・70万円
  • その他雑費・・・10万円

物件取得費は、家賃や住んでる地方によってかなり変わってくる。私の住んでいる地方では、権利金のシステム自体は無いのでこの程度で済んだけれど、権利金などがある地域だと物件取得費はかなり高額になる。開業を考えてる人は、まだまだ計画の前段階でも実際に不動産会社に見積りを出してもらった方がいいと思う。

削れるところはとことん削るべきだった

さっきの内訳を見て、「割りと安いじゃん」と思った方もいるかもしれませんが、半ば勢いで開業した私にとって、なかなかの出費でした。当初はそれ以上に高く見積もられてたので、これでも削った方だけど、もっともっと削れる部分があったと今になって思う。やはり、初めての開業でハイになってたのと、金銭感覚が麻痺していたと思う。それでも、一応削減するためにこんな事に気を付けました。

  1. 場所は繁華街のメインストリート沿いを避ける。
  2. 工事は知人の建築会社に頼んだ。
  3. 内装のデザインは自分でする。
  4. 内装工事で出来るところは自分でする。
  5. 設備や什器はネットで購入する。

繁華街のメインストリート沿いを避ける事で、家賃が十数万円違ってくるし、知人の会社しか伝手がなかったので、頼み込んで安く仕上げてもらった。内装のデザインは自分ですることで設計料やデザイン料を浮かせて、内装工事でできる作業は自分でやった。ちなみに、塗装と掃除程度。設備や什器はネットで購入した。ネットで購入すると保証がついてない場合や送料が高い場合もあるが、同じ商品を地元でほぼ定価で買うよりははるかに安かった。意外とコストがかかったのは、お客様用のソファーやテーブルなどの什器。安すぎてもすぐ壊れるし、こだわりすぎるとかなりコストがかかりますので要注意。当時の自分なりにはこだわるとこにはとことんこだわり、あまり気にしないでいいところは精一杯切り詰めた気だったけど、今思うともっとできるなと。それと、開業当時はコーヒーがサードウェーブ真っ只中だったので、エスプレッソマシンは導入せず、ハンドドリップでのコーヒー抽出を売りにしてました。「一杯一杯、丁寧にお淹れします」的な。(笑)

現在は数年前に改装した際にエスプレッソマシンを導入して使ってます。でも、今から開業って人はやっぱり迷うよね。導入したいけど、すごく高いしね。そんな人へ私なりの結論としては、開業時からエスプレッソマシンの導入をおすすめします。

エスプレッソマシンを導入した方がいい理由

まず、エスプレッソマシンの前提として、業務用であること。同時に、業務用グラインダーも揃える必要もあり、それに伴って電気や水道などの工事が必要な(水道工事は不要のモノもある)ので、最低でも数十万は覚悟しないとです。新規で導入を検討してる人には、かなり手痛い出費になります。ただ、マシンはセミオートでなくても、ドリンクバーにあるようなフルオートでも全然OKだと私は思います。とにかく業務用で、信頼できるところから購入すること。詳細は割愛するけれど、こんなもんでいいやと思って、家庭用のエスプレッソマシンとグラインダーを導入した知人がいたけど、2カ月後には業務用に変わってました。メルカリやヤフオクもかなりリスクが高いので、おすすめしません。まあ、今でも割とマシンを置いてないカフェやコーヒースタンドを見かけるから、必ずしも導入しろとは言わないけど、出来る限り導入しておいた方がいい。その理由としては、ひとつにはドリンクメニューの幅が広がること。これは、導入にあたって一番のメリットだと思う。コーヒー、カフェラテから、アレンジコーヒーのメニューなど、ドリンクメニューの幅がかなり広がる。ドリンクメニューの幅が広がれば、単価アップやお客様の売り逃しが減るので、これが数十万円の設備を導入する一番のメリットかと思う。次に、「抽出中に他の作業ができる」、「カフェとして見た目に箔が付く」、「ドリンクメニューの主流はカフェラテだから」、「単純に抽出が楽しくなる」など、メリットは色々とある。正直、数十万円というコストはかなり大きいが、日々のメンテンナスをしっかりとしていれば、そう簡単に壊れたりしないし、長い目で見るとお金を生み出す設備としての価値はあると思う。エスプレッソマシンの選び方はいずれ別の記事にしてみようかな。とにかく、迷ってる人は導入を検討してみてください。

甘く見ていた運転資金

目論見が甘かった。開業して、チヤホヤされておのぼりさんになってたのもあるけれど、以前の記事にも書いたけど、しなければいけない準備が不足していた所が露呈して、運転資金はあっという間に底を尽きる。特別贅沢していたつもりはないけれど、めちゃくちゃ倹約していたかと聞かれると、そうでもなかった。正直、開業して1年は忙しさもあり、なんとか過ごしていけた。まあ、ビギナーズラックって感じ。地域の情報サイトやタウン誌が「NEW OPEN」のお店って事で取り上げてくれたりしたけど、2年目からはそう簡単にはいかない。そして、生活費もすぐに底をついてしまう。家の電気が止まった事もあった。そうならないためにも、過去に書いた「 カフェを開業するまでにやっておくべき事って? 」の記事を読んで準備するといいかなと思います。運転資金については、かなり長くなるのでまたいつか時間がある時にかければなと思います。これを読んで、ちょっと足踏みしちゃった人もいるかもしれませんが、はじめから全部を完璧にできる人はいなし、全てが計画通りに進むこともないと思います。冒頭でも書いた通り、「今できるところから、できる事をはじめればいい」。今はお金を貯める時期なんだと思うのなら、お金を貯めることからはじめればいいし、情報を集める時期なんだと思うのなら、情報収集からはじめればいい。とにかく、前に向かって少しずつでも動き出す事が大切です。あなたのカフェ開業を楽しみに待ってる未来のお客様のためにも、焦らずじっくりとできる事を探してみてください。

COFFEE BREAK

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COFFEE BREAK
地方在住、コーヒーショップの経営者。1983年生まれの38歳。

独身時代はフリーター、工場勤務などを点々とする。結婚を機に地元の中小企業に営業兼品質管理者として8年間勤務。その後、勤務していた会社がリーマンショックのあおりを受けて、事実上解散。夫婦で相談した結果、お互い自営業でやりたかった仕事をはじめる事を決意。紆余曲折あったが、2012年の4月に未経験ながら地元に小さなカフェを開業。その後、オープンから7年を迎えた2019年に、それまでのカフェスタイルからコーヒーと焼き菓子のテイクアウトを主体とした、コーヒーショップへ店舗を改装。現在、お店は通算10年目に突入。コロナ時代で悪戦苦闘中だけど、家族と楽しく過ごしてます。
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  • […] やっぱり気になるお金のこと(開業編) ぶっちゃけ、どれくらい売上があれば生活できるの? […]

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