ぶっちゃけ、どれくらい売上があれば生活できるの?

目標は高い方がいい。でも現実的じゃないとね。
今日から9月のスタート。新しい月って、なんか心が切り替わっていいよね。心機一転って感じで。
今日は、朝から神社に参拝に行って、その後早めにお店についたので、調整を終えたコロンビアの豆でカフェラテ淹れて、今日の記事を書いてます。このまま今日中に書き上げれるといいな。
私は長く自営業をやってるけど、やっぱり今でも月末が支払いやら引落しやらで毎月ドキドキしてます。開業当初のドキドキとはまた違った感じだけど、それを乗り越えた月初は本当に気分がいいっす。近頃はコロナの影響もあり、売上の目標を立てても中々思い通りにはいかない月もあるけれど、目標を達成した月は、それなりの達成感も感じる。売上目標の設定は難しいところです。
開業前の私は、売上目標を立てるのにすごく苦労したな。だって、まだ開業してないんだから、何の予想をどうやって立てればいいのか全然分かんないんだもん。前回の記事で、開業に関してのお金は何となく説明しました。まだの人は是非読んでみてください。
さて、じゃあ実際のところ、いくら売上げれば生活していけるのか。独身なのか、家族がいるのかとか、実家暮らしなのか、家賃やローンを払ってるのかとか人によって条件が異なるけれど、私がおすすめする開業当初の売上目標の金額は、「(固定費+返済金)×3+20万円 」です。
目標を高く掲げるのは言いことだけど、実現不可能な数字だったら絵に描いた餅状態。必ずしもこれが正解ってわけじゃないんだけど、具体的にそして現実的な数字を突き詰めていくと、この数字になりました。是非参考にしてみてください。
カフェを開業するのに恵まれてる人って誰ですか?

カフェの開業に限らず、事業をするのにコストは低い方がいいに決まってる。「私の事業のモットーは、コストの高いものを使うことです」なんて人は、どこにもいないっす。固定費でも、究極は「独身、実家暮らし、店舗も家族の持ち物で家賃かからないし、開業費用も融資なしで全て自己資金で用意した」って人が一番コストかからないですよね。毎月の水道光熱費と材料費くらいでお店が維持できちゃうんだから、売上目標もそれほど高く設定しなくてもいい。これからカフェを開業するのに、こんなに恵まれてる人ならわざわざ私のブログを読んだりしなくても、すぐにはじめちゃえばいいよ。
でも私自身カフェを開業する時には既に家族もいたし、家賃7万円の賃貸アパートに住んでたし、テナントも探して賃貸で借りてるし、開業資金もほぼほぼ融資だし。恐らく、こういう人が多いと思う。当たり前だけど、売上が高ければ高いほど、手元に残るお金は多くなります。多くの人はそればかり考えて、開業前のシミュレーションで売上目標を高く見積もりがちです。ただ、開業当初は売上目標というよりは、最低限のノルマとして考えないと資金繰りがショートして生活ができなくなることも。ここは慎重に数字を出した方がいいところです。
未経験の人に捧げる、事業にかかるコストの計算方法

猫カワユス。・・・脱線しちゃいました。ごめんなさい。
さて、じゃあ早速コストの計算をしてみましょう。固定費の大まかな内訳は、
- テナント家賃
- 水道光熱費
- ネット回線などの通信費
- 店舗保険料
他にも細々した内容はあるけど、大体こんな感じ。家賃は実際にテナントを借りてなくても、住宅情報サイトで気になるテナントを探せば家賃が載ってるし、水道光熱費は今の生活してる金額をベースに、一人暮らしなら4倍~5倍してみて、家族がいる人なら2倍~3倍してみる。この辺りは、お店の規模によって少し変わってくるけど、20坪以内の物件なら、大体この範囲内に収まるとおもいます。ネット回線なんかの通信費は、ネットでサクッと調べて見積もればすぐにできるし、店舗保険も最初は年間2万円~3万円程度見積もっていれば大丈夫だと思います。詳しく知りたければ、これもネットで見積もれます。
そして、次に融資の返済金をシミュレーション。今は各銀行のサイトから、ローンシミュレーションができる便利な時代。借入金額と金利を入れれば毎月の返済金が表示されるので、それをメモ。
ちなみに、融資の返済金は「固定費」ではないのでご注意を。
そして、算出した固定費と毎月の返済金を足して3倍します。更にそれに20万円足した金額が、開業当初の売上目標です。その金額があれば、お店を維持しつつ生活できるって感じです。まぁ、ノルマって感じですかね。
「え?なんか、すごい金額になったんだけど!?」って人、きっといると思います。まず、その売上目標の30%は材料費。実際は30%かからない事もあるけど、飲食業のセオリーとして原価は30%以内となっているので、多く見積もってそれくらいかな。そして、スタッフを雇うのであれば人件費は、売上目標の10~15%くらいまでが望ましいです。20%いっちゃうと、材料費と合わせると売上の半分無くなっちゃうんで。そして、最初に計算した固定費と、返済金を引くと・・・ほら、そんなに残らんでしょ(笑)
しかもこれ、残った金額を丸々生活費にってワケにはいかないんです。
残った利益は誰のものなの?

苦労して売上て、そこから固定費やらなんやら引かれ、手元に残った金額はサラリーマン時代と然程変わらず。いあや、下手したらサラリーマン時代以下かも。なんて事もよく聞く話です。
開業当初から完璧を求めず、徐々に作り上げましょ。
ちなみに、手元に残ったこの利益、全部生活費にって言いたいところですが、そういうワケにはいかんのです。それは、お店を維持していくための運転資金と、後にくる税金のために少しずつ残しておかなければいけないんです。
先々、自分が病気をしたりしてお店をしばらく休まなければいけなくなった場合、お店に何か新しい設備を導入したい場合、コロナなどの世界規模での状況変化により売上が落込んでしまった場合など、お店にとってプラスな事でもマイナスな事でも、様々な状況を考えて現金を蓄えておく必要があります。
そして、税金は忘れた頃にやってきます。
私は、今でも然程変わってませんが、開業した年と翌年に来た税金でかなり苦労しました。開業した年は、前年度サラリーマン時代の収入で税金が計算されてるので、売上が上がってないのに税金の支払いに迫られることが特に大変でした。それが終われば、もう次の税金が・・・。正直、この当時は生活するのに精一杯の売上しか上げれず、税金の支払いなど相当苦労しました。
事業の幸せは、お店を続けていくことである

開業に向けて準備を進めていくと、いつしか開業する事がひとつのゴールになってしまっていて、気付いたら開業した後の事を全く考えれていなかったって事も。苦労して開業したお店を「開業後、3カ月で閉店する計画です」なんて人はいないと思う。
誰だって、せっかく開業したんだから長く続けたいって思うでしょ。それと同時に、生活を豊かにするために開業したんだと思う。
貧しくなるために開業する人なんていない。「赤字イエーイ!」って人は、ちょっとどうかしてる(笑)
けれど残念ながら、開業した後に自分の生活の豊かさばかりに力を注ぎ込んでしまって、お店の豊かさは後回しにって人も多く見てきた。そういう人のお店は、3年も持たずに潰れてく。これ、マジっす。
お店が続いてくからこそ、生活を続けていける。そして、そのお店にお金を払ってくれる人が居るっていう事を忘れずに、きちんと事業と向き合い、続けていく努力をする事が大切なんです。
カフェをはじめるっていうのと、カフェを続けるっていうのは、全く別物。だけど、どっちもとても楽しい事なんです。開業したいなって考えてる人、早くこっちの世界においで。苦労も多いけど、とても充実した毎日が待ってるよ。
追伸
無事に今日中に記事をアップできました。やっぱり早起きは三文の徳でした。
COFFEE BREAK

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地方在住、コーヒーショップの経営者。1983年生まれの38歳。
独身時代はフリーター、工場勤務などを点々とする。結婚を機に地元の中小企業に営業兼品質管理者として8年間勤務。その後、勤務していた会社がリーマンショックのあおりを受けて、事実上解散。夫婦で相談した結果、お互い自営業でやりたかった仕事をはじめる事を決意。紆余曲折あったが、2012年の4月に未経験ながら地元に小さなカフェを開業。その後、オープンから7年を迎えた2019年に、それまでのカフェスタイルからコーヒーと焼き菓子のテイクアウトを主体とした、コーヒーショップへ店舗を改装。現在、お店は通算10年目に突入。コロナ時代で悪戦苦闘中だけど、家族と楽しく過ごしてます。
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