カフェを開業するまでにやっておくべき事って?

カフェを開業して、今はコーヒースタンドに業態を少し変更したけれど、改装前から通して10年目。今まで、色々あったけれど、今思うと、開業前にこうやっとけばよかなったなって思う事も多々あるよ。一発目の記事、 「カフェの開業、何からはじめればいいの?」 では書ききれなかったコト。お金の事や、技術的な事、コーヒーの知識など実務的な事ももちろんだけど、それは後日書くとして、それよりももっと根本的なところ。昔の自分に、今日の記事を読ませてあげたい。そのくらい、やっとけばよかった事を書いておくことにします。ちょっと長いけど、これから初めての開業を考えてる人は、読んでおいて損はないと思うので、是非読んでください。
経験したからこそ語れる、開業前に積んでおくべき修行とは

開業を本格的に考えだすと、色んな情報や知識を吸収して、どんどんと「事業主脳」化が進んでいって、すごく世界が広がったように感じてくる。でも、大切なのは「開業すること」ではなく、「開業して続けていくこと」だ。そんなの分かってるって思うんだけど、分かってないんだな。なんか、資金調達も目途がついて、物件も見つかり、内装業者とも本格的に打ち合わせしてくると、「開業ハイ」になってくるんだよね。スタートもしてないのに、もう成功しちゃった感じの錯覚を覚えるというかね。そんな開業ハイにならないための、今からできる予防法を伝授しよう。
- 規則正しい生活を心掛けること。
- 楽しい倹約ライフを送ろう。
- 「こうでなければ」って思い込む思考はNG。
- 見栄っ張りな自分とはサヨナラしておこう。
どれも分かってることだと思う。キミが「分かってる」って言う事も分かってる。それを承知で、もう一度頭のすみに入れて生活して欲しい。だって、たくさんのお金を使って、カフェを開業するのってすごく大変なことだから、開業ハイなんかにのみ込まれないでほしい。
規則正しい生活を心掛けよう

いやいや、そんな小学生じゃないんだから・・・って思ってない?べつに夜型を否定するつもりもないし、朝早くから起きて行動しろなんて言うつもりもない。ここで私が言う、「規則正しい生活」っていうのは、自分のライフサイクルに合った生活をきちんと送る事。開業までは、書類作りや打ち合わせ、メニュー考案とかなり忙しい。言わば、体力勝負の時期。体調管理に気をつけて、無理のない生活を送る必要がある。開業準備期間中は、準備に専念するため、前職を退職して仕事をしてない人も多いはず。今まで、始業時間に間に合うように会社に行ってたけど、この準備期間中は夜更かししたり、遅くまで寝てたりとやりたい放題になってしまう事も。自堕落な生活を送らないように、今のうちに自分で規則正しい生活を送れるようにコントロールしておく必要がある。それに、業者との打ち合わせは日中にあるから、なるべく世間のみんなが活動している時間帯は起きておくといいと思うよ。私自身、自堕落にならないように心掛けてはいたけれど、ついつい夜更かしして翌朝早くの打ち合わせに遅刻しそうになった事も。自営業になるからって、好きな時に寝て、好きな時に起きれるワケじゃない。開店時間も閉店時間もまばら、店が営業してる日と休みが気まぐれ、そんな生活が乱れてる人のお店にお客様は来てくれません。今の内から規則正しい生活を心掛けて。
楽しい倹約ライフを送ろう

開業してからは、必ずしも順風満帆に行くワケじゃない。生活が苦しくなる時もある。私も、電気が止まったり、税金が払えなくなったり、子どもの誕生日プレゼントが買えないくらい貧乏だった時もある。それは、何故か。お金に対しての考え方が甘かったからだと思う。調達した資金を、まるで自分が一夜にして稼いだかのような感覚になってしまったり、これまで、会社員時代は決められた日に「給料」と言う形でお金を得ていたけれど、自営業になると、毎日の売上金が生活のお金になる。多い時には一日で10万円近く売り上げることもあった。そんな感じで金銭感覚が狂い、手元にあればあるだけ使い、気付けば現金がどんどんと減っていってた。だから、今の内から徹底して倹約な生活を身に染み込ませておいた方がいい。倹約な生活を心掛けておいて損はない。ケチになれという事ではなく、保険のかけ過ぎがないかを見直し、通信会社は格安SIMに切り替えたり、最新のスマホや家電は我慢しよう。食事もなるべく自炊してしたりすれば、それだけで収入が多少減っても生活は維持できる。大切なのは、倹約生活を「しなければ」と思わずに、楽しく自分のできる範囲でやっていくという事。これ大事。
こうでなければって思い込む思考はNG

「エスプレッソマシンはセミオートじゃないといけない」とか、「カフェなんだから、お客様の要望には必ず応えないといけない」とか、「~しなければ」って思っちゃうクセ、これ禁物です。私自身、こういう思考のクセがあって、これもかなり苦労した。お客様に「お店が営業時間をもっと遅くまでのばしてほしい」との要望に、「営業時間延ばさなくちゃ」とか考えちゃって、しんどくなって、家族との衝突も増えて、結果誰のためにお店を開いたのかを見失ってしまった時期もあったり。他にも、月末の支払いが差し迫った時に「いつまでに、必ず〇円売り上げなければ」って思ってしまって、心が苦しい時期もあった。もちろん、売上目標をもって営業する事は大事だけれど、商売やってると、毎日が思い通りにいくワケがなく、「売り上げなきゃ」って自分を追い込んで、仕事を楽しめなくなってしまう事もある。これは、今の時点で改善しておくといい。自己啓発の本を読んで、自分なりにトレーニングしてみて。
見栄っ張りな自分とはサヨナラしておこう

私自身、見栄っ張りと言うより、断れないタイプ。業者から「よそのお店はほとんど、こっち(グレードの高い方)を導入してますよ」と言われれば、「じゃあ、そっちで」となってしまう。これ、後々しんどい。請求額見てビックリなんて事も多々ある。特に、内装工事に関しては、意外と工事中に現場で急遽仕様を変更するって事も少なくない。中には、女性だと丸め込めると思ってる業者もいて、強気で不必要にグレードの高い材料を押してくる事があるので、注意しておいて。前述の「こうでなければ」って思いこまないようにするのと、倹約ライフを心掛ける事と同じように、見栄を張らない(きちんと断る)事は、絶対に必須。店を作り替えるのなんて、後からいくらでもできる。最初にスタートするのに、本当にそれが必要なのか、業者の口車に乗ってないか、一度立ち止まって考えてみて。自分の身の丈にあった店でスタートしよう。
この4つの項目、会社勤めの時は当たり前だと感じれるかもしれない。でも、本当に開業前って色んな感覚が鈍ってきたり、見失ったりしてしまう。今の内に理解して、マインドチェンジしておくことで、開業後の生活が断然暮らしやすくなる。これから開業する人は、開業時の私みたいになるなよ。
COFFEE BREAK

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地方在住、コーヒーショップの経営者。1983年生まれの38歳。
独身時代はフリーター、工場勤務などを点々とする。結婚を機に地元の中小企業に営業兼品質管理者として8年間勤務。その後、勤務していた会社がリーマンショックのあおりを受けて、事実上解散。夫婦で相談した結果、お互い自営業でやりたかった仕事をはじめる事を決意。紆余曲折あったが、2012年の4月に未経験ながら地元に小さなカフェを開業。その後、オープンから7年を迎えた2019年に、それまでのカフェスタイルからコーヒーと焼き菓子のテイクアウトを主体とした、コーヒーショップへ店舗を改装。現在、お店は通算10年目に突入。コロナ時代で悪戦苦闘中だけど、家族と楽しく過ごしてます。
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