会社を辞めて事業をはじめる人は3つの価値観をアップデートしよう(その1)

人もデバイスもアップデートは大切です。
価値観は人それぞれで、色んな価値観があり、価値観に正解や不正解は無いのかもしれないけれど、こういう価値観の方が事業主には向いてるかもっていうのはあると思う。
私が会社を辞めて事業をはじめた時、それまで会社員側だった価値観からは、想像していなかった世界がありました。
もし、これからカフェを開業しようとか、何か事業をはじめようと考えてる人は、今回の記事を読んで一度価値観を見直してみてください。
今持っている価値観を一度取っ払って、新たな価値観を上書きする事は簡単ではないけれど、そうする事で大きな時間と費用の節約が期待できると思うので、よければ参考にしてみてください。
ちなみに、見直すべき価値観は「お金に対しての価値観、未来に対しての価値観、人に対しての価値観」の3つ。
そして得られるものは、時間とお金に対しての最適な考え方。
新米経営者の誰もが迷い悩むポイントを早めに学んでおくことで、迷いのない経営をしていく事を目指しましょう。
今の古い価値観をとっとと取り払っちゃいましょうね。
今回は、「お金に対しての価値観」編です。
お金に対しての価値観をアップデートしよう

ごくごく当たり前の話になりますが、会社員は給料制ですし、事業主は売上による「変動する収入」となります。
そのため、お金に対しての価値観も大きく変わってきます。
例えば、ローン。
住宅ローンは大抵、30年から40年の長期に渡って返済していくものです。
会社員も事業主も、一生その仕事を続けれるかどうかなんてわからないのに、なぜ会社員はローンが比較的に受けやすく、事業主はローンの審査が通りにくいのか。
それは、金融機関が(個人)事業主は収入が不安定だとみなしてるからです。
例え、「自分はきちんと毎月ある程度安定した収支があるよ」としていても、金融機関としては世間一般の(個人)事業主は返済が滞るリスクが高いと判断しています。
なので、金融機関にもよるけれど、事業主は住宅ローンが通りにくいです。
私も住宅ローンの審査が通るのに、結構苦労しました。
なので、まず見直すべき価値観は「例え、しっかりと貯金をしていても、どんなに立派な事業計画を立てていても、世間からは収入は不安定だと判断されてる」というところ。
当然、金融機関などの信用は、事業年数とともに少しずつ上がってはいくものなので、それまでの間はお金に対してシビアに考える事が大切です。
店舗経営でシビアに考えるべき箇所はどこ?

次に、具体的にシビアになるべきポイントを考えてみましょう。
前提として、店舗を開業する場所は決まっていたとします。
なので、ここでは店舗家賃や初期費用などは省いていますが、まずは契約前に店舗家賃等もシビアに交渉すべきポイントのひとつです。
その他で月々のランニングコストとして特にシビアに考えるべきなのは、「電気代、通信費、車輛費」の3つ。
電気代は主力電力会社で契約するよりも、色んな会社を比較した方が絶対にいい。
これはマジです。
もちろん電気の契約先を変えたところで、電力が不安定になったり、そういったデメリットは何もありません。
デメリットが0なのに、やらないわけにはいかない。
私も、電気代見直して店舗も自宅もそれぞれ2割ずつ月の電気代が減りました。
店舗と自宅の電気代の節約額は、合計すると月3千円から5千円程度。
これは、1店舗や自宅のみならそれほど実感が湧かないかもしれませんが、両方するとかなり削減できてると体感できました。
それと、開業したらお店の電話に、毎日色んなところから営業の電話がかかってきます。
電気代の削減、SNSの集客代行、キャッシュレス決済代行、WEBサイトの構築やら新しいサービスのモニターだの。
例え、その番号をブロックしても次から次に色んな業者からの電話がかかってきます。
中には、一瞬「えっ!?」って興味をひく内容もあるかもしれません。
例えば、「月々は無料で使えます」とか、「通常3万円の工事代金が今回は無料です」なんて言葉巧みに。
けれど、色んな経験をしてきた私が断言します。
営業電話の案件で得した事はたった1度もない!
ほんと、たったの1度もありませんでした。
相手も仕事なので仕方ないけれど、自分達のノルマのために営業してきてるんです。
やはり自分のお店の事を一番大切に思っているのは経営者自身です。
必要な情報は、自分で見つける必要があるんです。

バカにならない通信費

そして通信費。
これは今更言うまでもない、基本的な事ではありますが、店舗のネット回線、スマホの通信料などは、ネット回線の比較サイトや格安SIMなどを使って、低く抑える事ができます。
経営者個人で使用するスマホも格安SIMで十分かと思います。
格安SIMってピーク時遅いし、色々と不便だし、なんて言ってられません。
大切な事は、ネットの速度ではなく、店舗としての継続した営業ですから。
コストはなるべく安い方がいいに決まってる。
もし、開業するお店のネットをお客様にオープンにしないのであれば、お店側が使う通信量はモバイルタイプのポケットWi-fiなどで賄える場合もあります。
その場合は、月々のランニングコストはプロバイダー込みで3~5千円程度で済むし、ネット回線を引き込む工事費もかかりません。
今や多くのものが無線通信に対応しているので、レジやBGMなどのためだけに回線をわざわざ引き込む必要があるのか、よく検討してみた方がいいと思います。
ちなみに、私は店舗にネット回線を引き込んでいます。
「おいおい、言ってること違うじゃない!」って思ったかもしれませんが、私が開業した約10年前は、店舗の設備でそれほど無線通信対応機器がなかったのです。
iphone 4Sの時代です。笑
それと、店舗としての電話番号が欲しかったからです。
今やIP電話の番号を取得する事は簡単になっていて、多くの飲食店も利用していることから、お客様の警戒心もそれほど高くありません。
もし、私が今から開業する側の立場なら、電話番号の取得のしやすさ、工事代金の節約、ルーターなど機器のスリム化などを考慮して、モバイル型のポケットwi-fiを選択すると思いますね。
持ち運べる手軽さも嬉しい。

本当に自家用車が必要か、その車でないといけないのかを問うてみる

そして車輛費。
自家用車はガソリン代や整備代、駐車場代などの維持費もかかるので、事業にとっても家計にとってもかなりコストがかかるもの。
取得は、中古車で探すなどなるべく抑える事ができますが、車検などはどうしてもかかってしまうもの。
欲しい車、乗りたい車など色々と願望はあるけれど、「そもそも今の生活に車が必要か」と言うところから考え直す必要があります。
社会人だし、車は持ってて当たり前だと考えていた人や、月に1・2回しか乗らない人なのであれば、必要な時にレンタカーでもいいのでは?と選択肢を広げることも経営者には必要なスキルです。
ただ、家族が居たり、地方で車なしの生活は不便だという場合もあります。
その場合は、無理に車を無くす必要はありません。
けれど、欲しいからと言って、今すぐ残クレ(残価設定型クレジット)などを組んでまで乗りたい車に乗るべきなのかは大いに考える必要があります。
そして、よく陥りがちなのが、「自営業の人はローンの審査が通りにくいから、(開業前の)会社員である今のうちにローンを組んで車を買っておこう」という考え方の人。
実際、私もこれに近い考えを持っていましたが、はっきり言ってこれはダメな考え方です。
これから開業する人が、この先も分からないのに、この先の未来を担保して高額なローンを組むのはNGです。
また、「自営業の人がローンの審査が通りにくい」のではなく、自営業者は相対的に「身の丈に合った買い物をしていないから審査が通りにくい傾向にある」のです。
とある本にも書いてありましたが、ローンは未来の収入の前借りだと。
未来の前借りは、未来でそのツケを払わないといけません。
ドラえもんのひみつ道具にあった「未来小切手帳」。
まさにこれと同じで、自分が将来得られるお金を前借りして散財したのび太くんから学ばせてもらいましょう。

開業してもしなくてもお金に対しての価値観をアップデートして損はない

時代の変化とともに価値観についても変化していきます。
過去にはNGとされていた考え方も、今ではOKに。その逆で、OKだった考えがNGに。
カフェオーナーになると、これまで会社員時代に「お給料」という形である程度自分の収入を把握できていた状態から、売上という形で収入が直前まで分からない状態に変化します。
例え、どれだけ緻密な計画を立てようと、台風などの災害によって休業せざるを得ない状況や、キャッシュレス化による現金のキャッシュフローの変化、取引先の倒産など、想像もしていない事が多々起こり得ます。
例え、会社員として一生生きていく選択をしたとしても、時代の変化に合わせた価値観に変えておいて損はしません。
時代に取り残されないよう、これまでの「お金は労働の対価として必ず時期がきたらもらえるもの」という給料制の価値観から、「お金はいつどこでどう発生するのか、またどう使っていく方が自分にとって最適なのか」というお金と向きあう価値観に今すぐアップデートしておきましょう。
COFFEE BREAK

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地方在住、コーヒーショップの経営者。1983年生まれの38歳。
独身時代はフリーター、工場勤務などを点々とする。結婚を機に地元の中小企業に営業兼品質管理者として8年間勤務。その後、勤務していた会社がリーマンショックのあおりを受けて、事実上解散。夫婦で相談した結果、お互い自営業でやりたかった仕事をはじめる事を決意。紆余曲折あったが、2012年の4月に未経験ながら地元に小さなカフェを開業。その後、オープンから7年を迎えた2019年に、それまでのカフェスタイルからコーヒーと焼き菓子のテイクアウトを主体とした、コーヒーショップへ店舗を改装。現在、お店は通算10年目に突入。コロナ時代で悪戦苦闘中だけど、家族と楽しく過ごしてます。
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