エスプレッソマシン、最初の一台の選び方

セミオート、1グループ、タンク式。ほぼこれ一択。
コーヒーカテゴリー1発目の記事は、エスプレッソマシンの選び方について。
未経験からカフェを開業するにあたって、どんな設備を入れようかなと悩む事も多いと思います。
過去の記事にも書きましたが、新規開業にあたって、エスプレッソマシンの導入を悩んでるのなら、開業時に導入する方をおすすめします。
導入した方がいい理由を書いた、過去の記事はコチラ。
開業前にカフェで働いていた人は、そのお店で使ってたのと同じメーカーのマシンが候補に挙がるだろうし、自分の欲しいマシンがある程度絞れてると思う。
でもカフェ未経験での開業なら、マシンの選び方はとても難しいです。実際、私もそうでしたから。
できれば「スペック的な事は分からんけど、気に入ったマシンを一番いいグレードで」って言いたい。
ただ、私達は限られた予算内で、必要なものを揃えなくちゃいけない。
なので今回は、初めてのエスプレッソマシンの選び方を書いていきます。
エスプレッソマシンと一緒に使うグラインダーについても書いていきたいんですが、長くなるので今回はエスプレッソマシンのみです。
その前に、いくつか専門用語が出てくるので、ざっとその説明を書いておきます。
この記事を読む前に軽くググって、予習しておくと更に分かりやすいかも。
セミオート
コーヒーショップでよく見る、挽いた豆を取っ手のついたカゴに入れて、マシンにガチャとはめこみ、ボタンをピッて押すタイプのマシン。ちなみにスタバなんかのコーヒーチェーンは、ほとんどのお店がフルオート(全自動)マシンで、私がおすすめするセミオートとは別物。
グループ
エスプレッソを抽出する出口。ガチャとカゴをはめ込む受け口の事。2グループなら抽出口が2つ。抽出口が多くなれば、マシンのサイズも大きくなり、金額も高くなる。
タンク式
コーヒーメーカーのように、エスプレッソマシンで使用する水をタンクに入れてマシンに装着するタイプ。もう一方の水道直結式と比べて、パワー面やタンクに水を入れるという手間などデメリットもあるけれど、価格面や設置場所の変更が可能などのメリットも多い。
掘り下げればもっともっと奥が深いんですが、とりあえずこれさえ覚えておけば大丈夫です。
イキって購入した、2グループの水道直結式マシン

ちなみに私が購入したマシンは、チンバリの M26-DT/2CPT(TS)という機種です。
マシンの詳細はコチラ。
型 式|M26-DT/2CPT(TS):製品情報|株式会社エフ・エム・アイ (fmi.co.jp)
ええ。ガッツリ2グループで、水道直結式です。いざマシンを購入しようと考えた時に、やっぱりせっかくなら2グループ以上で、パワーもあって、オートスチームあったらいいなって思ってしまいました。
私が買った機種の金額は、当時マシンだけで税込み120万円で購入しました。
買ったことに後悔は全くしてませんが、結果としてオーバースペックだった事は否めませんな。
まあ、自分が経験したからこそ、これから開業する人におすすめするのが、「セミオート、1グループ、タンク式」ってワケです。
アルバイトの方を雇った時の事を考えて、ミルクを温めるスチームの部分が、手動で調整するマニュアルスチームと、設定した泡量と温度で自動でストップしてくれるオートスチーム(ターボスチーム)が搭載されているものを選びましたが、基本オートは使ってません。
理由は、慣れると「マニュアルスチームの方がきれいなフォームミルクを作れる」からと、「オートスチームは洗浄がデリケートだから」。
今、もしオートスチーム搭載機を検討中の人、マニュアルスチームで十分なので、その分の予算を別に回した方が絶対いい。
また、フルオート(全自動)よりもセミオートをおすすめする理由は、スタバなどのコーヒーチェーンやコンビニコーヒーとの差別化をはかるためです。
コーヒーチェーンの多くは、たくさんのお客様により安定した品質のものを、より早く提供するために全自動マシンを導入してます。コンビニコーヒーも同じ。
じゃあ、私達のようなローカルなコーヒーショップはどうやって勝負するのか。
それは、「コーヒーチェーンより一歩踏み込んだカスタマイズ」です。
セミオートのマシンなら、お客様の好みやご要望を聞き出し、コーヒーの濃さ、ミルクの温度や口当たりなど、お客様毎に調整することができる。
これは、フルオートにはできない戦い方です。
マシンを検討してる人は、是非セミオートの導入を考えてみて。
未経験から開業する人なら、ほとんど1グループで事足りる

あくまで前提として、「業務用マシン」に限ったお話です。
たまに、「エスプレッソマシン導入しました」ってインスタにアップしてるお店の中に、家庭用のマシンを導入してらっしゃる方がおられます。
家庭用は、1万円台から買えるデロンギなどのリーズナブルなマシンから、10万円近くするアスカソなどの高級マシンまで様々ありますが、やはり家庭用と業務用とでは、正直、味も違うし、スピードも違うし、壊れやすさも違います。
まあ、個人の自由ではあるので構いませんが、せっかくお店をするのなら業務用のマシンでないと。
そして、タンク式のマシンは基本的には1グループのマシンしかありませんので、タンク式=1グループと考えてもらっていいかと思います。
水道直結式の1グループもあるけど、余程こだわりがなければタンク式で十分です。
詳しい解説は省きますが、興味ある人は是非色々調べてみてください。
エスプレッソマシンの選び方(考え方編)

とまあ、ここまで条件などについて説明してきました。
次は、実際の選び方を考えていきます。
エスプレッソマシンの選び方
- デザインで絞り込む
- 価格面で目星を付ける。
- 営業マン・サービス・メンテナンスを比べる。
- 機能・オプションで決める
こんな感じの順番で決めていくと、いいかと思います。
まず、コーヒー関連の設備の全体的な予算を決めましょう。
大体100万~150万円くらいの予算で考えてみるといいかもしれません。
これも、予算を使いきるのではなく、余ったら別のところに回すよう考えておきます。
お店でのコーヒーの提供には、エスプレッソマシンだけではなく、グラインダーや浄水器、ノックボックスやタンパーなどのアクセサリー、それからドリップマシンやアイスドリンク用に製氷機など、多くの設備が必要になります。
そのため、はじめから「エスプレッソマシンにいくら」と個別に金額を設定するのではなく、「コーヒー関連の設備全体にいくら」と決めておいた方が、フレキシブルに対応でき、選択肢も広がるはず。限られた予算の中で、「ちょっと高いけど、こっちのマシンを導入したい」と思うのなら、その分ドリップマシンやべつの設備を抑えて全体の金額を調整する努力が必要です。
そして、日本国内に代理店があるメーカーのものを選ぶこと。これ、大事。
エスプレッソマシンの代理店は、
第一電化社(国内最大級エスプレッソマシン専門店 大一電化社公式サイト-本物のエスプレッソを日本に (daiichi-mottainai.com)や、ラッキーコーヒーマシン(業務用エスプレッソマシン、コーヒーマシンなら、UCCグループのラッキーコーヒーマシン (lucky-coffee-machine.co.jp)、エフエムアイ(株式会社エフ・エム・アイ (fmi.co.jp)などが全国的にも有名です。
エスプレッソマシンの選び方(実践編)

実際、選ぶとなるとどうやっていくか。正直、(業務用マシンの)タンク式1グループなら、お店の営業に大きく影響するような性能面の違いはほとんど無いです。
なので、まずは金額面は無視して、デザイン面で一気に選択肢を絞り込もう。
タンク式の中から選ぶのであれば、それほど選択肢は多くないはず。
そして、価格面で目星をつけよう。
エスプレッソマシンの価格は機種によってかなり差があります。デザイン性が高いものは価格も高くなりがちだし、コスパ重視の方は見た目が無難って感じではあるので、自分のお店にとって必要な方を重視してみて。
個人的には、デザインが気に入った方を選ぶのをおすすめするかな。
毎日お店に立つのだから、自分の気分が上がる方が気持ち良く仕事できる気がする。
そして、それでもまだマシンの候補が一つに絞り込めずに悩んでる場合は、営業マンやアフターサービスで比べてみて。
東京や大阪、名古屋など都市部にお店を出すぶんにはあまり不自由しないけど、地方には代理店がない場合も多々あります。
その場合は、委託業者が修理に来るか、都市の営業所からサービス担当の方が来てくれますが、いずれにしても修理に時間やコストがかかるのは間違いないので、迷ったらその辺も検討の対象に。
それでもまだ決めれないなら、最終的には直感や機能面やオプションで判断するといい。
エスプレッソマシンは、お店の大切な顔。色んな選択肢を考慮して、自分が好きなモノで自分に合ったモノを選ぶと、お店に立つ時にパフォーマンスが上がるはず。
はじめての1台はしっかりと選んでみて。
間違っても私のようにオーバースペックになりませんように。
COFFEE BREAK

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地方在住、コーヒーショップの経営者。1983年生まれの38歳。
独身時代はフリーター、工場勤務などを点々とする。結婚を機に地元の中小企業に営業兼品質管理者として8年間勤務。その後、勤務していた会社がリーマンショックのあおりを受けて、事実上解散。夫婦で相談した結果、お互い自営業でやりたかった仕事をはじめる事を決意。紆余曲折あったが、2012年の4月に未経験ながら地元に小さなカフェを開業。その後、オープンから7年を迎えた2019年に、それまでのカフェスタイルからコーヒーと焼き菓子のテイクアウトを主体とした、コーヒーショップへ店舗を改装。現在、お店は通算10年目に突入。コロナ時代で悪戦苦闘中だけど、家族と楽しく過ごしてます。
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