ドリンクもフードも満足してもらいたいのなら、フードペアリングという魔法を覚えよう

まるでバイキルト。(ドラクエの魔法)
カフェを開業するために、連日味見したり修正したりと試行錯誤したメニュー。
せっかくなら、どちらもお客様に「美味しい」と思っていただきたいです。
そこで、今回は「フードペアリング」という考え方を紹介します。
ペアリングとは、組み合わせのこと。
人にも相性があるように、食べ物と飲み物にも相性が存在します。
このフードペアリングは、スターバックスなどの大手のコーヒーチェーンでも提唱していて、お客様の間でも年々その認知が高まっています。
フードペアリング|スターバックス コーヒー ジャパン (starbucks.co.jp)
フードペアリングの基本は、似ている風味同士を組み合わせること。
これだけで、フードとドリンクの印象ががらりと変わります。
複雑なフレーバーのコーヒーこそ、はまると数十倍に効果が出る

まずは、基本から。
フードペアリングの基本は、前述したように似ているフレーバー同士の組み合わせです。
例えば、フルーティーなフレーバーのコーヒーにはフルーツ感のあるフード、苦みのある深煎りのコーヒーにはビターチョコレート。と言った具合に、近い風味同士を組み合わせることで、両方共邪魔する事なくどちらも風味をしっかりと味わう事ができます。
焙煎度に合わせた考え方としては、こんな感じです。
- 浅煎り→フルーティー→ドライフルーツ系
- 中煎り→香ばしさ→ナッツ系
- 深煎り→苦み→チョコレート系
という感じで、連想ゲームのような感覚で考えるといいと思います。
また、これは甘味系のフードのあくまで一例ですので、もちろんこれ以外でも相性のいいものはたくさんありますし、食事系のフードもまた別の相性がありますので、参考程度に捉えてもらえればOKです。
フレーバーが似ているモノ同士は、味のイメージがしやすく、口に含んだ瞬間も違和感なく、すうっと入っていきやすいので、まずはここからペアリングの基本をつかんでいきましょう。
そして、コーヒーとのペアリングで意外なのが、和のスイーツとの組み合わせ。
今回は、洋菓子以上に合うペアリングを紹介しますので、是非試してみてください。
浅煎りコーヒー+カステラ

カステラって、名前もカタカナだし、見た目も洋菓子っぽいけど、実は和菓子なんです。
カステラ自体は、浅煎りから深煎りまで、どのローストとも比較的相性が良いんですが、私のおすすめは断然浅煎りコーヒー。
卵と牛乳、砂糖を主原料として作られるカステラは、そのシンプルな甘さが浅煎りのフルーティーな酸味を引き立ててくれます。
また、その反対に浅煎りのさっぱりとした口当たりが、カステラの奥にあるコクのある甘さを引き出してくれる、そんなペアリングです。
あーカステラ食べたくなってきた。
おすすめのカステラ
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中煎りコーヒー+あんこ系

香ばしさが特徴の中煎りのコーヒーには、あんこを使ったスイーツが最適です。
たいやき、ようかん、大福など、あんこスイーツはたくさんありますが、中でもおすすめは「あんドーナツ」です。
鼻から抜けるコーヒーの香ばしさを感じつつ、あんこの深みのある甘味が全く喧嘩することなく、味わう事ができます。
ナッツ系などの王道のペアリングとは違った印象で、食事としても成立する、満足感の高いペアリングです。
ベーカリーなどを営んでおられる方で、お店でコーヒーも提供してるって方は、豆を中煎りに変えてみてください。
きっと、パンとの相性が数段階上がり、お客様に満足していただけると思います。
あんこがもっと好きになる本
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深煎りコーヒー+栗の甘露煮

マニアックすぎてごめんなさい。笑
深煎りのコーヒーの特徴としては、しっかりとした苦みと厚みのあるコーヒー感。
カステラやあんこ系も良いですが、ややコーヒーに負けてしまいがち。
その場合は、両者を楽しむというよりは、どちらかが引き立て役となってしまいます。実にもったいない。
そのため、深煎りのフレーバーに負けない味わいが必要です。
私のおすすめは、栗の甘露煮や抹茶のガトーショコラあたりが特におすすめです。
栗そのものはナッツ系のため、中煎りとの相性向きですが、甘露煮にすることで濃厚な甘みとなり、両方ともの味わいを引き立て合う、不思議なペアリングが完成します。
甘露煮のとろっとした甘さを、苦みのある深煎りコーヒーがさっと落としてくれます。
その後の口の中に残る余韻が、何とも言えない大人の味わいで、ついついもう一口手をのばしたくなる程。
これは、深煎りコーヒーにしかできない仕事です。
栗の甘露煮ならこれ一択です。
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組み合わせは無限大にあるから、たくさん試すことが大切

フードの種類は、世界中に何千・何万とあるし、コーヒーの種類も何百種類もある。
この2つを掛け合わせてできる組み合わせは、無限大にあります。
ひとつひとつ全てを試すことはできないけれど、全ての可能性を考えてみることは可能です。
「これは合わないだろうな」とイメージだけで決めつけるのではなく、一度試してみる。
実際に試して、考察して、また別の組み合わせを試す。
それを繰り返すことで、いつかビックリするようなペアリングを発見することができるんです。
自身のお店のフードの特徴を活かし、お客様により深く楽しんでいただくためにも、ペアリングを考えてみてください。
オリジナルのペアリングを見つけれると、きっともっと喜んでいただけると思います。
COFFEE BREAK

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地方在住、コーヒーショップの経営者。1983年生まれの38歳。
独身時代はフリーター、工場勤務などを点々とする。結婚を機に地元の中小企業に営業兼品質管理者として8年間勤務。その後、勤務していた会社がリーマンショックのあおりを受けて、事実上解散。夫婦で相談した結果、お互い自営業でやりたかった仕事をはじめる事を決意。紆余曲折あったが、2012年の4月に未経験ながら地元に小さなカフェを開業。その後、オープンから7年を迎えた2019年に、それまでのカフェスタイルからコーヒーと焼き菓子のテイクアウトを主体とした、コーヒーショップへ店舗を改装。現在、お店は通算10年目に突入。コロナ時代で悪戦苦闘中だけど、家族と楽しく過ごしてます。
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